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 GAME REPORT

 第5節の相手は富士通フロンティアーズ。現在リーグ3連覇を成し遂げている名実ともに日本一の相手である。前節でのIBM戦勝利の勢いをそのままに、絶対王者に対して自分たちの実力がどこまで通用するのか。今持てる全てをぶつけた試合であった。雨も上がり涼しい秋風がフィールドに流れこむ心地よい秋晴れの中、ファイニーズのキックオフで試合は開始された。
 最初のシリーズはお互いにディフェンスが健闘しパントを蹴り合う形になる。続く富士通オフェンス。レシーバーの位置にセットしたラッシングヤード暫定トップのRBグラントにパスが通るとそのままエンドゾーンへ。53ヤードの独走タッチダウンを決められてしまう(0-7)。
しかし、ファイニーズも黙っていない。WR#87高尾へのパスが決まって敵陣に入ると、RB#24芦田が中央突破。富士通ディフェンスの一瞬の隙をついて密集地帯を抜けると、そのまま快足を飛ばして一気にエンドゾーンへ。43ヤードのタッチダウンランを決め、すぐさま同点に追いついた(7-7)。
 その後はお互いディフェンスが踏ん張り、そのまま第1Qは終了した。

 第2Q最初のファイニーズオフェンス。敵陣からの好位置で開始されたシリーズでQB#19コーディからWR#21オヌワーへ31ヤードのロングパスが決まり、一気にゴール前まで前進する。ここは富士通の厚い守りに阻まれタッチダウンこそならなかったものの、K#12山崎が27ヤードのフィールドゴールを決めて勝ち越しに成功した(10-7)。
しかし、続く富士通オフェンス。ファーストプレーのRBグラントのランでは個人技によってディフェンス陣が次々とかわされ前進。34ヤードのビッグゲインを許すと、最後はQBバードソンに26ヤードパスを決められタッチダウン。逆転を許してしまう(10-14)。その後の富士通オフェンスでもフィールドゴールを決められてしまい、7点差とされてしまった(10-17)。
 ファイニーズも追いすがる。コーディからオヌワーへ再びロングパスが決まり一気に50ヤード前進。残り時間4秒でゴール前7ヤードまで侵攻する。ここでオフェンスはフィールドゴールではなくプレーを選択。コーディが右サイドに流れながらターゲットを探してパスを投じた。しかしタッチダウンには至らず、そのまま時間はゼロに。得点をあげることができないまま前半が終了した。

 第3Q最初のファイニーズディフェンス。QBバードソンがパスを投じようとしたところ、DL#9ローリングスが後ろから猛烈な勢いでサックしボールをファンブルさせる。これによって敵陣17ヤードからという絶好の位置からオフェンスの機会を得た。しかし、反則を連発してしまい前進することはできず、フォースダウンでギャンブルを試みるものの失敗。無得点で相手に攻撃権を渡してしまう。
 対する富士通オフェンスはパス攻撃によってテンポよく前進していく。最後はバードソンに30ヤードのタッチダウンパスを決められ、追加点をあげられた(10-24)。

 第4Qには相手に39ヤードのフィールドゴールを決められてさらに点差を広げられる(10-27)。なんとか食らいつきたいファイニーズ。パスがつながりゴール前15ヤードまで前進するも、最後は富士通守備陣にインターセプトされ万事休す。結局10-27での敗戦となった。

 オフェンスは何度も得点圏内まで侵攻することはできたが、そこからの精細を欠き得点することができなかった。ディフェンスも警戒していたRBグラントのランに対して何度もロスタックルを決めることができたが、要所でのQBバードソンのパス攻撃を止めることができず、得点につなげられてしまった。
 キッキングでもキックオフではタッチバックを連発する高い安定したパフォーマンスを見せてくれたが、フィールドゴールは1/3しか決めることができず、得点を積み重ねることができなかった。お互いに要所でのミスや反則が多く、せっかく相手のミスで得たチャンスを自分たちもミスすることで手放してしまうことが多かった。こういった試合運びをしていては強豪チーム相手に勝利することは難しいだろう。我々のプレーオフ出場が決まった場合、再び戦う可能性の高い相手である。今回の試合で出た課題を克服し、次は必ずリベンジしたい。

点数

 NEXT GAME HIGHLIGHT

 富士通フロンティアーズに10対27で敗れたファイニーズ。第6節はノジマ相模原ライズとの対戦になる。ライズはここまでうまくチームとしてかみ合わず全敗であるものの、地力のあるチームであり、ファイニーズにとって厳しい戦いになることが予想される。
 ライズオフェンスの中心となるのはやはり4人の外国人選手になるだろう。新加入OL#51ダミアン・パリスは超大型の攻撃ラインで、力強いブロッキングを見せている。また、要所でそのパリスが抜け、DB#7リー・ハイタワーやDB#30クエンティン・ジョーンズをバックスの位置にセットさせ、QB#11ジミー・ロックレイからのパスを投げている。実質4人の外国人を使い分けており、十分な対策が必要である。また、ベテランRB#2宮幸や昨シーズン大きな活躍をみせた#85八木は一発でタッチダウンまで持っていく力があり、全員でパシュートをして止めることが重要となるであろう。
 一方、ライズのディフェンスは先に挙げた外国人DB2人に加え、堅実なタックルやパスカバーを見せるLB#5田中、キャプテンのDL#90伊倉を中心に粘り強いディフェンスをしてくるというイメージである。ファイニーズとしては先週の富士通戦で活躍したWR#21オヌワーを中心としたパスユニットとランオフェンスをバランス良く組み合わせて得点を奪いたい。特に前節はゴール前まで行きながら、タッチダウンを奪うことができなかったシリーズもあり、次節はスコアできるよう最後の詰めをしっかりと改善したい。

 勝利すれば自力でのファイナル4進出が決まる大事な一戦となります。ぜひとも応援のほどよろしくお願いいたします。